2016/08/24

RME TotalMix FX 1.31の「DAWモード」

RMEのオーディオ・インターフェイスに標準搭載される柔軟で強力なデジタル・ミキサー「TotalMix FX」 がバージョン1.31に更新され、新たにDAWモードが追加されました。
フル・モード
全入力とソフトウェア再生チャンネルを
全出力へ自由自在にルーティング、ミキシング



DAWモード
入力フェーダー、再生チャンネルの
ルーティング機能が無効化された簡易モード

柔軟なモニタリング環境を自在に素早く作成するにはTotalMix FXのルーティング / ミキシング機能をフル活用するのが便利ですが、TotalMix FXのルーティングが1対1で固定されたシンプルな状態で、お使いのCubase / Studio One / Protools / Ableton Live / Logic等のDAW内のI/O設定やミキサーを使用してモニタリングやルーティング環境を作りたい場合には、今回追加された「DAWモード」を活用できます。

DAWモードでは、TotalMix FXのルーティング機能がオフになり、入力フェーダーもソフトウェア再生チャンネルも省かれ、ルーティングは常に1対1(例えば、再生チャンネル1は出力1へ、再生チャンネル2は出力2へ、3は3へ...etc.)に固定された状態の簡易モードでTotalMix FXが立ち上がります。設定できるのは、入力ゲイン*、ファンタム電源のオン/オフ*、ハードウェア出力レベルだけになります。
*入力ゲインやファンタム電源のオン/オフ設定をSettingsダイアログで行う製品は除く。

もちろん、フル・モードでも1対1のルーティングを行えますが(TotalMix FXメニュー:Options > Reset Mix > Straight Playback)、DAWモードはTotalMix FXを極力意識しないまま、DAW側でモニタリングやルーティング環境を作成して作業したいユーザーのために新たに追加されました。

 下はDAWモード画面の各機能です:

DAWモードを使用するには、TotalMix FX 1.31を搭載する最新のドライバーをインストールする必要があります。ダウンロードはこちらwww.synthax.jp/drivers/

以上、TotalMix FXのDAWモードをご紹介しました。 多様なユーザーの音楽環境やワークフローに柔軟に対応できるように、常日頃からRMEの技術者達がドライバーやTotalMix FXの改善の努力を重ねていることは、機材を日常的に使う上での安心感にもつながりますね! DAWモードへの変更手順は以下で説明していますので、どうぞご覧ください。




TotalMix FX - DAWモードへの変更手順


最新のドライバーでTotalMix FXをver1.31に更新したら、TotalMix FXメニューからDAWモードに変更できます。



Windowsの場合 

  1. TotalMix FXメニューの Option > Operational Mode... を選択すると、オペレーション・モードの変更画面が表示されますので、 ”Digital Audio Workstation Mode - straight playback routing, no input m(DAWモード - 1対1のプレイバック・ルーティング、入力モニタリングなし)” を選択してOKを押します。 
  2. 次に“Do you really want to change to DAW mode? All routing settings will be reset(すべてのルーティング設定が初期化されます。本当にDAWモードへ変更しますか?)”と表示されますので、OKを押します。 
  3. TotalMix FXがWindowsの通知領域内に最小化された状態でDAWモードで再起動されます(TotalMix FX画面を表示させたい場合は、Windowsの通知領域内にあるTotalMix FXの小アイコンをクリックします)。 
※ 通常のフル・モードに戻すには、手順1で”DAWモード”ではなく、”Full Mode - Mixer active, all routing options available(フル・モード - ミキサー / ルーティング機能がすべて有効)”を選択して同じ手順を繰り返します。 

Macの場合 

  1. TotalMix FX上部メニューの Option > Operational Mode... を選択すると、オペレーション・モードの変更画面が表示されますので、”Digital Audio Workstation Mode - straight playback routing, no input m(DAWモード - 1対1のプレイバック・ルーティング、入力モニタリングなし)”を選択してOKを押します。 
  2. 次に“Do you really want to change to DAW mode? All routing settings will be reset(すべてのルーティング設定が初期化されます。本当にDAWモードへ変更しますか?)”と表示されますので、OKを押します。 
  3. ”Please quit and re-start TotalMix FX to make this change effective(変更を反映するにはTotalMixを再起動してください)”と表示されますので、TotalMix FXメニューのTotalMix FX > Quit TotalMix FX(Cmd+Q)を選択して終了し、アプリケーション・フォルダー内のTotalMixアイコンをクリックして再起動します。  
※ 通常のフル・モードに戻すには、手順1で”DAWモード”ではなく、”Full Mode - Mixer active, all routing options available(フル・モード - ミキサー / ルーティング機能がすべて有効)”を選択して同じ手順を繰り返します。




2016/02/29



全ユーザー対象のドライバー・アップデートがRMEから発表されました。

今回のアップデートは、主にReverbとEcho(Delay)の新機能が中心となり、TotalMix FXのバージョンが1.2となります。

DSPが搭載されていないタイプのディバイス(例:Fireface UCなど)では、これからご紹介する多くの機能を使用することができませんが、このアップデートには、新機能以外にも様々な改善やバグフィックス等が含まれておりますので、DSPが搭載されていないタイプのディバイスをお持ちの方もドライバーのアップデートを行うことをお勧めします。

なお、ここで紹介する新機能を使うためには、UCX、UFX、802、MADIface XT、HDSPe MADI FXの各製品はディバイスのファームウェア・アップデートが必要ですので、最新のファームウェアをダウンロードしてアップデートを行うこともお忘れなく!Babyface Proはそのまま新機能をお使いいただけます。

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TotalMix FX 1.21の新機能
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【Reverbの新機能+改善点】

Reverbエフェクト全体のトーン・キャラクターやデンシティーが改善され、以前に比べ、より良い響きを提供できるように進化したことに加え、リバーブ・タイプも新たに追加されました。

下のスクリーンショットを見るとわかるように、具体的には、8種のリバーブ・タイプ追加され、バージョン1.2では、計15種類のリバーブ・タイプからお好きな音色を選択をすることができるようになっています。




バージョン1.1では、Room 1, 2, 3..と音色がイメージしにくい名前でしたが、バージョン1.2では、ずいぶんと名前から音色がイメージしやすくなっていますね!


では、ここで、バージョン1.2(以下v.1.2)で新たに加わったリバーブ・タイプの解説をしておきたいとおもいます。


Small Room   :v.1.1の「Room 1」と同じです。

Medium Room  :v.1.1の「Room 2」と同じです。

Large Room   :v.1.1の「Room 3」と同じです。

Walls                 :v.1.1の「Room 4」と同じですが、実際の音色は異なります。

Shorty               :短く、温かみのあるリバーブです。

Attack         :スラップ系のリバーブです。

Swagger     :オリジナルの音に豊かな深いリバーブをかけます。

AttackとSwaggerは、トーン・キャラクターに共通した部分があり、他のリバーブタイプとは異なるトーン・キャラクターを持っています。

Old School        :その名の通り、オーソドックスで、オールド・スクールな音質感。

Echoistic     :エコー成分が多い音色です。
ヘッドフォンで聴くとステレオでエコーがかかっているのがよくわかると思います。

8plus9              :Old School に Echoisticを足した音色です。

Grand Wide  :リバーブ・タイム(Room Scale)が長いタイプの音色です。

Thicker             :短いリバーブが足されることにより、原音を厚く豊かに響かせます。

Space                : もっともシズル感があり、長いリバーブが特徴の音質です。



その他、細かい改善点としては...
  • すべてのリバーブ・タイプにおいて、より長いリバーブ・タイムが選択可能に
  • SmoothとHigh Cutコントロールの動作を改善
などが挙げられます。



【Echoの新機能+改善点】

次にTotalMix FXに搭載されたもう一つの空間系エフェクト「Echo(Delay)」の新機能を紹介します。


① エコーにハイ・カット(HC)オプションが追加されました。

この新機能により、エコー成分の高音域をカットすることができるようになりましたので、いままでに増してより自然な音色の作成や、意図的にダンピングされた音色の作成が行いやすくなっています。


② エコーの「Delay Time」が、msとBPM、両方で表示されるようになりました。


これは、シンプルに便利ですね!

また、リバーブとエコーを同時に使用する際の音質も改善されています。

ちなみに、エコーとリバーブを同時に使用する際は、エコーが最初に、その後にリバーブの順でエフェクトが処理されます。知っておくと便利な情報ですね!

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TotalMix FX 1.1の新機能 まとめブログは こちらからご覧いただけます。